もっと多くの人に美味しいお米を広めたい(作田妙江さん/山口県)

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山口県岩国市、駅から山間の田園地帯をくぐり20分ほど進んだ先に、作田さんの田んぼはあります。作田さんの育てたコシヒカリとヒノヒカリは「一度食べると他のお米食べられなくなる」と評判でリピート購入される方が多いのだそうです。そんな食べる人を引き付ける美味しさの秘訣についてお聞きしました。

美味しいワケは徹底した土作り

米作りで最も力を入れているのは、土作りです。肥料は鹿児島県の養鶏農家で作られるバクテリアや、土壌菌がたくさん入っているバイオ肥料を使っています。その肥料を使うことで田んぼで良質なバクテリアが育ち、地力が上がることで元気な稲が育ちます。実際、化学肥料を使わずにバイオ肥料を使い米を栽培するのは手間ですし、収穫量も減るんです。ですからこのやり方で進めるかについてはかなり悩みましたが、たどり着いた答えは「美味しいお米を食べてもらいたい」ということ。それで、このやり方をすすめています。

私達が作るお米は、親しい方に手渡しでお取引することが多いんです。食べる人の顔が見えるからこそ、もっともっと美味しいお米を提供したいと考えています。

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(豊かな自然と共存する田畑)

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主食をもっと味わってもらいたい

最近ではお米を食べる人が減っていると聞きますが、バイオ肥料で育てた「こうちゃん米」をぜひ食べてもらいたいです。お米はスーパーでも手軽に買うことができますが、育て方はもちろん鮮度や管理も味に大きな影響を及ぼします。お米は日本人の主食なので、もっとこだわって食べていただければきっと好きになる方も増えると信じています。

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残留農薬0の田んぼ

~美味しさだけじゃない、安全性にもこだわり~

土作りと同じく大事なことは、農薬をできるだけ使わないということです。バイオ肥料で地力が高まり病気になりにくい稲が育ちますが、それでも完璧ではありません。例えば人間も、100人いて全員が全く病気に掛からないということはありませんから。多少風邪を引くこともあるでしょう?稲も部分的に病気になることがあるんです。そんな場合、農薬を広域で散布すれば作る側は安心ですが、そうはしません。私たちの田んぼでは最低限必要な量の農薬を最小範囲で使います。もちろん手間ですが、その甲斐もあって私たちの田んぼは、残留農薬が0でした。美味しいだけでなく安心して食べていただけるお米なんです。

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(精米している様子)

うちでは収穫されたお米は玄米の状態で温度管理された保管庫で保存します。注文を受けてかから精米することで酸化していない新鮮な状態のお米を届けることができるんですよ。

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米ぬかからヒット商品

お米の魅力を様々な角度から知ってもらうために、お米を使った商品開発にも挑戦しています。いくつか商品化したうち、今人気なのが米ぬかを使ったカンパーニュです。

農家では、精米時にでてくる米ぬかを肥料として使う場合が多いのですが、栄養分を多く含んでいるため日頃から「勿体無いな〜」と思い、何とか食品として活かす術はないかと考えていました。そこで、友達が経営する平生町のパン屋「ブーランジェリーミキ」に協力してもらい作ったのが、カンパーニュです。米ぬかの栄養分を余すことなく使い、しっとりとした食感がとても食べやすいんです。イベントなどで試食販売したところ大人気で、準備した分は全て完売してしまいました。

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(「ブーランジェリーミキ」で作るカンパーニュはもちもちした食感が人気)

玄米を煎って作った玄米コーヒーも人気です。コーヒー好きなのに妊娠中にカフェインを取ることができなかった自身の経験から、妊婦でも飲むことができるノンカフェインのコーヒーとして作ったところリピートして購入してくださる方もいます。

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(自身の経験を生かした玄米コーヒー)

もっと多くの人に私たちのお米を届けたい

生産するだけでは農産物に対するお客様の評価がわからないので、最近では精力的に東京などの都市に出向き、自分たちの農産物を試食していただく機会を増やしています。

消費者と直接触れ合うことができるイベントでは、作った私たちだからこそ伝えられることが多いし、味見をした上での意見を聞くことで「もっと美味しいものを作ろう」と意欲も湧いてきます。

今後の目標は「作田さんのお米が一番美味しい」と言ってくださる人をもっと増やしていくことです。

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