健康と雇用につなげる農業(西川さん/高知県)


高知県南国市にて、家族で農園を運営しグァバ茶やオーガニックコスメを生産販売する西川さん。農園立ち上げに至った経緯や、今後の目標をお聞きしました。

きっかけは健康への気づき

私は、1999年から化粧品メーカーを運営していました。
現在会社の経営は主人に引き継ぎ、私は運営する農園でグァバやヘチマの栽培、それを使用した製品の開発などを担当しています。
安心して使用できる成分への追及が、自社での製品作りに辿り着きましたが、自然の成分を活かし極力化学物質を使わない化粧品作りに尽力してきました。

私が本格的に肌に触れるものにこだわり始めたきっかけは、息子が生まれてすぐアトピー性皮膚炎と診断されたことです。私自身も子供の頃から肌が弱く、なかなか肌に合う製品とはめぐり合えない経験をしています。
そのため、衣食住を全て見直し日々注意深く過ごす中で、どんな成分が安全で、どんな成分が良くないか少しずつ知見を広げていきました。
その結果、自ら信頼できる製品を作ろうと40歳で化粧品メーカーを起業し、現在も製品の原材料になるグァバやへちまなどを農園で栽培し、またお茶などにも加工しています。


(栽培するグァバやヘチマ水を使用した製品)

グァバ栽培のはじまり

農園を始めたのは、健康のためには外面だけではなく、身体の中からのケアも必要だという想いからです。
そんな中辿り着いたのが、化粧品の成分やお茶の原料にもなるグァバの栽培でした。
また、私の製品のお客様の変化も大きなきっかけとなりました。
自社の化粧品を使っていたお客様が、1ヶ月ぶり位にお化粧を買いに来られたときに、すごく健康的に痩せてお肌も以前より綺麗になっていたんです。 その変化に驚いて秘訣を聞くと、高血圧で悩んでいたところ、近所のグァバ農家さんのすすめでグァバ茶を飲み始めるようになって、高血圧症を克服しダイエットに成功したとのこと。 そこで早速グァバ栽培に興味をもち、同じく興味をもってくれた私の長男がその農園へ見学に行かせていただきました。その後、グァバの可能性を感じた長男は園で実習生として働かせていただき、グァバの葉の成分や効果を調べることで、お肌や健康に良い成分が豊富に含まれていることが分かりました。グァバの力を自分たちでも広めようと考え、息子や家族と一緒にグァバの農園を立ち上げました。

栽培環境と生産のこだわり

うちの農園では、自然の生態系が畑の中で循環する環境が整っています。家族の肌を考えるとそもそも化学薬品は使用できないので、農薬や肥料を使わず、自然栽培することにこだわっています。 そのため、農園には虫やカエル、イタチなんかもいて、そんな中で植物の生命力を活かして栽培しています。また、手作業にこだわり、葉っぱ一枚一枚を亀の子たわしで洗います。手間はかかりますが、自然の中で作業することはとても健康的で気持ちが良いです。 そんな環境が話題になり、他の農家さんが農園を見学に来ることもありますよ。

手軽に飲める形へ

栽培方法以外にも、手軽さや形状にもこだわっています。 グァバ栽培を学ばせていただいた当時のグァバ茶は、一般的に馴染みの薄い煮出し専用の製品が多いように思いました。そこで、多くの方に便利な形はないか、例えば会社勤めの方でも手軽にオフィスで飲めるようにできないかと考え、製品化に向けた研究開発を重ねました。その過程では多くの方に協力をいただきましたが、まずは高知県で、技術に詳しい方や大学で研究をされている方に焙煎方法を相談しました。 既存のグァバ茶は生葉を使用しており、カップで熱湯抽出した場合はグァバ独特の青臭さが残ってしまうことが多くありました。 そこで、当社では焙煎した茶葉で提供したいと考え、適切な焙煎方法や時間、焙煎温度を細かくに調べることで、流通しているグァバ茶と比較しても十分味に優位性を持ち食事にもあう、新しいグァバ茶を製品化することに成功しました。またフィルターパッケージにもこだわり、無漂白でトウモロコシ由来の三角テトラのティーバックを使用しています。

オススメは食事と一緒に


お勧めするタイミングは食前食中です。ノンカフェインで妊婦さんにも安心してお飲みいただけます。 飲み方は特にコツなど無く、ティーバックの場合はお湯を注ぐだけで手軽にお飲みいただけます。また一日何度飲んでも大丈夫です。同じ三角ティーパックで3回程度お茶を出すこともできるので、そのままお湯を追加で入れてもらっても大丈夫です。 ご自宅の場合は、急須やポットで500cc 程度のお湯で出すことができます。煮出す場合は、2Lのお鍋ややかんで煮出すと経済的です。 意外なのですが、バニラアイスを入れてフロートにしても美味しいんですよ。牛乳を入れて少し甘味料を入れるのもオススメです。

みんなの想いで運営する農園

農園を一緒に運営する主人は、特別支援学校と支援学級で30数年間、教師をしてきた経験があります。主人は教え子が長く活き活きと働ける場所を作りたいという想いを持っていましたので、そんな中始めた農園では生徒が実際に働く場としても機能していることが、夫婦揃って嬉しいことです。 就業者の中には元々引きこもりだった方も居ます。そういった方々も仕事を通してどんどん活発になり、自力で率先して仕事をできるようになるのを目の当たりにするのはとても幸せなものです。 みんなバイヤーさんやお客さんが来ると、いつもより張り切って仕事をするんですよ(笑)。そうした人のプラスの変化を身近で感じられるのが嬉しいです。 こうやって家族や周りの協力があり、色んな背景や思いから同じ目的につながり現在農園が運営できています。

より多くの健康と障害者雇用を

今の私の目標は2つあります。1つ目は消費者の方にグァバ茶で健康になってもらうこと。そして2つ目は障害者が生き生きと働ける仕事を創ることです。 特に後者は私の生涯の大きな目標でもあり、現在農園では16名の障害のある方が働いています。 自身や家族の肌のため、また私がこだわりの強い性格のため追求し続けた結果が、今の製品です。私ほどこだわる必要はないですが、皆さんにも“ホンモノ”を見抜く目を養って欲しいなと思います。これからも、健康のために安心な製品をつくり、また障害者の方々がより生き生きと働く環境を整えていけたらなと思います。

【プロフィール】

fril.jp

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