ラクマお知らせブログ

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「ミツバチと人に優しい農業」を目指して(榎本さん/愛知県)

f:id:fril:20201216102147j:plain 愛知県豊川市で、小規模な養蜂場や養鶏場をはじめ、果樹や野菜を栽培する農場を運営する榎本さん。市役所の職員から転職し就農したきっかけや、現在の栽培方法に至った経緯などをお伺いしました。

はじまりは趣味の家庭菜園

私は最初から農家になりなかったわけではなく、果実や野菜などの栽培を趣味で楽しんでいました。自分の食べたいものにこだわって作るのが好きで、少し大きな家庭菜園のような形でやりたいと思っていたんです。農業を生業とするには、それなりの規模の土地や時間が必要で、新規就農は厳しいと思っていました。また私は市役所の職員の仕事をしていて、副業がNGだったこともあり、収穫したものは会社の同僚や友人にお礼の品などとしてプレゼントしていました。

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探求心から菜園規模が拡大

私は何でもやり始めると追及したくなる性格です。当初熱を入れていたのはブルーベリーの栽培で、最初は自宅の庭で数本の苗木から始め、栽培方法などを研究し品種を増やしていくうちにどんどん栽培面積が広がり、ついには100本を超える規模になりました。収穫が出来るようになると、自分で育てて樹なり*1で完熟させたものと、市販のものだと美味しさが全然違うことが分かりました。完熟のブルーベリーは日持ちがしないので、一般に流通しているのもは、やはり早摘みのものが多いんですよね。私が好きな完熟ブルーベリーを手に入れるには、どうしても自分で作る必要があるなと感じました。また、収穫量が増えると一人では採りきれなくなったので、収穫期には会社の同僚や親戚に家族連れで収穫体験に来てもらうようにもなりました。
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授粉のためハチの飼育を開始

ブルーベリーの授粉のために、ハチも飼い始めました。ハチも生態を調べたり、より良い飼育環境を追求したりすることが面白くなって、徐々に飼育数と巣箱を増やしていきました。その結果、数年かけてある程度のハチミツも採取できるようになりました。さすがに趣味の範囲を超えてきたなと思い始めたころ、それまでプレゼントしていた農産物を食べて気に入った方が、お金を払ってでも買いたいと言ってくれるようにもなりました。またそのタイミングで子育ても少し落ち着き、仕事の契約更新も重なったので、「今がチャンスなのでは」と思い正式に栽培・販売することを検討し、農業を始めることを決めました。今は、ブルーベリーを含む果樹、野菜、蜜源の花畑、鶏舎などを合わせて10反(約3,000坪)くらいを借りて、農業を行っています。
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非加熱の「生ハチミツ」

私は、実はもともとハチミツがあまり好きではなかったんです。それが、ハチを飼い始めて自分で採取したハチミツを食べたところ、すごく美味しいと驚きました。今まで食べてきたものとの差はなんだろう?と不思議に思い調べたところ、ハチミツが加熱処理されているかどうかの違いだと分かりました。自家製のハチミツは、加熱がされていない”生の”ハチミツで、今まで食べてきた市販のハチミツは、過熱加工が施されているハチミツでした。私が苦手だと感じていたのは、加熱した時に出てくる成分や味だということが分かったのです。 そこで更に調べたところ、私が食べたい非加熱の生ハチミツは、一般にあまり売ってなかったり、売っていても日常的に食すには高かったりするということが分かりました。また、ハチミツの国内自給率は平成27年度で7.3%と他の農産物と比べかなり低いことが分かり、その中でも非加熱の生ハチミツはもっと少ないということも分かりました。これはハチミツも自分で作るしかないと思ったと同時に、自分だけではなく家族や友人にも、もっと本物のハチミツの味を知ってもらいたいと考え、ハチミツの生産を本格的に始めました。
f:id:fril:20201216105903j:plain (巣の中でじっくり熟成させるため高糖度になる)

地域に根付くハチミツの味わい

ハチミツは、地域によって味わいが異なります。ハチは巣箱から5キロくらいの花から蜜をとってくるので、周りにどんな花が咲いているかによって採取される蜜が違うのです。また同じ花の蜜でも、その地域の気候によって味わいが違ってきます。私が住んでいる愛知県豊川市には大規模な花畑が無いので、ハチミツを採取する養蜂家が昔と比べても減少し、今はほとんどいません。そのためハチミツの販売を始めた際は、地域のご年配のお客様に「自分が子供の頃に食べたハチミツの味がする」と、とても喜んでもらえて、私も本当に嬉しかったです。
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繊細なミツバチの社会

ミツバチはとても繊細で、養蜂が盛んな地域の手法を参考にして私の地域で同じやり方をすると、蜂が病気になったり、巣に定着せずに突然いなくなってしまったりすることもあります。ミツバチの巣は一つの会社のようになっていて、巣全体の運営体制がきちんと成り立ち、社員であるミツバチたちが健全に生活できていないと、その生産物であるハチミツは採れないんです。毎日の運営が精いっぱいの巣からは採取できないので、それぞれの調子を見ながらお世話をします。世話の内容は季節により異なり、栄養を供給したり、巣箱のサイズを変えたり、寒くなる時期は冬越しに向けてお部屋を移動したり、気温が下がるにつれて入口を少しずつ閉めてあげたりもします。餌は、砂糖・ハチミツ・塩を溶かした糖蜜や、代用花粉などを、様子を見ながら与えます。毎年試行錯誤しながら飼育していて、個性に合わせてお世話をするので、子育てみたいで本当に面白いですよ。
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ハチミツは自然な甘味料

非加熱ハチミツには、なんと300種類くらいもの有効成分が入っていると言われています。砂糖やメープルシロップなど他にもたくさんの甘味料がありますが、非加熱ハチミツ以外は全て加熱して作ってあるんです。唯一、非加熱ハチミツだけが完全に自然のままの甘味料です。酵素やミネラルが生きているため昔は万能薬として使われていたくらいなので、風邪予防や免疫力の向上などにもぜひ活用していただきたいです。寒い季節や乾燥する時期は、身体が温まるホットハチミツドリンクがオススメです。白湯やお好きなホットドリンクに非加熱ハチミツを入れて、お好みの甘さでゆっくり飲んで下さい。特に夜に飲むと、リラックス効果が期待できます。
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「ミツバチと人に優しい農業」を

私は、「ミツバチと人に優しい農業」を目指しています。ミツバチは本当に繊細です。農薬や消毒にとても弱く、空気や環境がきれいな場所でないと生きられないので、ミツバチに優しい環境は、必然的に人にも優しい環境です。そんな環境で行う農業は、自然環境にも優しい農業なので、次世代にも繋がる持続可能な農業だと思っています。そういった環境で採れた自然のままのハチミツや農産物を、多くの方へお届けしたいです。今までは主に地元のお客様に販売していましたが、楽天「ラクマ」を通して日本全国のお客様に知っていただき、より広くお届けできるようになりました。みんなに優しく、美味しい農産物をこれからもお届けしたいです。
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【プロフィール】

お名前:榎本 佐和子 さん
地域:愛知県
ショップ名:榎本ファーム
ショップURL: https://fril.jp/shop/enomotofarm
fril.jp

*1:完熟前に収穫せず、完熟後に収穫すること